労務管理・職場のトラブル
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労務管理・職場のトラブル

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 労務管理は大変難しいものがございます。

 解決には的確な法律判断は必須であり、顧問契約締結先からもよくご相談をいただきます。

 ここでは過去の実務経験に基づき、問題解決の基準となり得る様々な考え方や、また実際にあったケースを題材にし解決までの経緯等をご説明させていただきます。

 なおこのページにおいても他のページと同様に箇条書きを採用させていただいておりますが、順に読み進め、理解を促す形態とはなっておりません。また当該内容は、時間の経過により現在の法律関係とは異なる場合がございますので、これらの点は併せてご了承下さい。

 使用者及び労働者双方の立場からご参考にしていただけるよう努めております。労働問題に関して疑問・質問がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。


当事務所は、【人事/労務管理サポートセンター】を併せて運営致しております。

 こちらのサイトもございますので、ご覧いただければ幸いです。
 (人事や労務に関して企業法務のお話のみのサイトとなっております)

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労務管理・職場のトラブルのための法律知識

1.労災認定についての一般的基準
 労災保険には業務上の災害と通勤災害、二つの概念が存在致します。したがって労災認定には業務上か否かの判断が必ず必要です。【業務上】の認定を受け、また通勤途上であったとの認定を受け初めて労災からの支給を受けることが可能となります。

 この認定には、多くの判例や学説が存在しておりますが、そこには行政解釈が非常に重要な役割を果たしております。

 行政解釈によりますと、業務上であると言えるためには二つの基準をクリアしなければなりません。

 まずひとつ目は、業務起因性であります。この概念は、労働契約の締結により支配従属関係が存在しかつ当該契約に基づきその業務を行う事により災害が生じたものであるという、当該災害と業務との間に相当の因果関係が存在している事をいいます。したがって、私的行為を行っていたり、業務を逸脱していたと認められる場合には否定される可能性がございます。

 もうひとつは、業務遂行姓であります、。これは単に仕事をしている最中という意味ではなく、上記で述べました支配従属関係にある中で生じたか否かという点に着目し判断を行います。以下簡単ですが認められる例を挙げておきます。

 @事業場内での作業中(原則トイレや給水等の時間も含む)
 A事業場内での休憩中、始業・終業に伴う事業場内での行動
 B実質的な支配は及んでいるが直接的な管理状態にはなく業務に従事している場合

 以上が原則的な例となります。

 但し、休憩時間中に運動をしていて、その事が原因で怪我をした場合等には認められません。しかしその事業場の施設に不備が存在し(何かが上から落下してきた等)怪我を負った場合には認められるでしょう。このような判断に際しては当事務所にお任せ下さい。裁判上における具体的事例を多く把握致しておりますのでお任せ下さい。

 そしてこの認定に対しての基本的な考え方と致しましては、労働時間中に通常業務に従事していた場合には、業務遂行性が推定されますので、業務起因性に対する反証のない限り労災として認定される事となるでしょう。

 労災の申請の際に事業主から協力を得られない場合がございませんか?それは労災隠しによるものかもしれませんし、単に自身が認定権者であるとの誤信からくるものかもしれません。労災の認定権者は、労働基準監督署です。この点を勘違いされている事業主様も多いと聞きます。

 結局このような場合はどうすれば良いのでしょうか?

 労災の申請について事業主の協力が得られなかった場合でもそのまま申請してしまいしましょう。協力が得られない旨を労働基準監督署に説明し納得を得れば受理されます。方法と致しましては、その理由を記載した文書を添付すれば良いでしょう。文書自体に法的な制限はございませんので、ご自分の作成しやすい方法でされるのが一番でしょう。

 労災隠しは犯罪行為です。簡単な気持ちでされたとしても大きなしっぺ返しが待っています。上記のような問題が生じぬよう、労使双方の協力で誠実かつ円滑に解決するための方法を模索していきましょう。

 労災保険についての疑問・質問は当事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。


2.労災休業中に起こった問題
 労災休業中に有給休暇を申請した労働者がいました。この請求は認められるべきものなのでしょうか?
 結論的には認めるべきでしょう。但し、休職させる場合には認めなくとも問題は無いと考えられます。

 また労災からの休業補償給付には3日間の待期期間が存在しますが、この期間についても有給が認められます。その場合には使用者が行うべき休業補償は不要です。そして労働義務のある日に有給休暇は認められますので、当該義務の無い日には認められません。休職させる場合に認める必要が無いと申し上げたのはこの理由によります。


 ご参考までにですが、労災により休業する間に支給される事となる休業補償給付に関しては、就業の実態が存在しなくとも就業可能な状態にあると認められれば支給されない事となります。よって、就業の事実を申告したとしても、直ちに支給停止されるような性質のものではないという考え方ができます。


3.解雇や解雇予告手当について
 解雇予告については民法典の意思表示の規定が採用されます。したがって到達主義を採りますので、一旦解雇の意思表示をなした以上相手方の同意なくして撤回する事は出来ません。

 つまり解雇の日を自由に使用者側の都合で変更する事はできないのです。例えば解雇日を繰り上げるような場合、労働者が最初の解雇予告を撤回する旨の同意を与えていたか否かにより、解雇予告手当の額は異なります。

 また解雇制限期間中でも解雇が禁止されているのみであってその予告は可能です。したがって解雇制限期間が経過すれば当該解雇予告は有効なものですので、解雇の効力が生じる事となります。


 解雇についてもいくつかお話し致します。そもそも解雇は正当な理由が無ければ認められません。

 社内で不倫関係が発覚した場合、当該社員は解雇事由に該当するのか?というご相談がございました。
 当事務所と致しましては、通常よく就業規則に規定される、【風紀に関する規定】に抵触するとして、当該就業規則の懲戒事由によるのが妥当ではないか。というお話を致しました。

 判例等もこの手の判断には慎重です。したがって解雇を採用するよりは、厳重注意のうえ、減給や出勤停止処分等に留めておくのが良いのではないでしょうか。


 昨今ネット環境の整備も充実し、誰もが簡単にインターネットにアクセスする事が可能となりました。
 様々な情報の取得や意見交換等を目的として利用されるのですが時としてその匿名性が問題となります。その一つとして、自己を表示する事無く掲示板等で他人の中傷・誹謗を行うというものがございます。

 これが会社内部の情報を暴露したりあるいは、上司に対しての悪口等の場合は当該書き込みをした労働者を懲戒解雇することは可能でしょうか?

 内容等にもよりますが、可能であると考えます。その理由は、当該行為が名誉毀損に該当する可能性が高く、会社との労働契約上労働者が負っている誠実義務に対しての違反を問われかねないような場合には、労働者の行為は悪質なものであろう推定がはたらきますので懲戒解雇処分が相当ではないでしょうか。


4.休日についての豆知識
 休日は1週間に1日以上又は4週間で4日以上(変形週休制)あれば合法です。

 したがってこの規定に違反しない範囲において自由に決定できます。但し、変形週休制を採用する場合には、就業規則においてその4週間の起算日を定める必要がございます。

 当該規定以上に付与される休日は、法律上の休日ではございません。つまり完全週休2日制(土・日)を採用している会社において、ある週の土曜日に一部の労働者を出勤させた場合に、休日手当として割増賃金は不要だという事です。しかし就業規則において土曜日を法律上の休日とする旨の定めをした場合には支払い義務が生じます。その場合は日曜日に出勤させれば支払い義務は無いという事です。

 さらに上記規定に違反しない範囲であれば、休日の振替も可能です。さらにその振り替え休日日の振替も可能ですが、無いように事前にきっちりと確認し行うよう配慮して下さい。


 振替と似たような概念として代休という制度がございますが、振替は事前に変更するのに対し、代休は事後に変更する事をいいます。その際に半日単位での付与も原則可能です。そして代休の場合には、振替とは異なり、休日出勤となりますので原則として割増賃金の支払いが必要です。

 いずれにせよこの規定に反しないよう休日を与えると共に、就業規則で法定休日をいつにするかを明確に定めておけば問題は生じないでしょう。

 
 もう一点、欠勤した労働者に対し上記記載の休日との相殺は可能なのでしょうか?

 答えは出来ません。就業規則等で欠勤に対する減給措置を規定する等して対策を講じるのが良いでしょう。


5.労災の通勤災害とは
 ほぼ業務災害と給付の内容は同様ですが、通勤途上において生じた災害を救済する目的の制度です。

 業務災害と異なる点は、使用者の休業に対する責任の度合いが変わってきます。つまり、待期期間中の使用者による休業補償は必要無いという事です。

 通勤災害と認められるには、住居と就業場所との往復について通勤災害があった事が必要です。

 ここでいう住居とは、就業を行う際の拠点とお考えいただければ結構です。したがって自宅のみならず、社会通念上必要と認められる理由が存在すれば、実家や病院から就業場所へ向かう行為もここでいう通勤に該当致します。さらに当該住居には、単身赴任先及び二つ以上就業する場合の一方の就業場所も含まれます。改正により追加された規定です。

 もちろん就業に際してですので、単に私用で会社に立ち寄る場合等(手渡しの給料を受け取るなど)は認められません。また通達によると、休日に呼び出され会社へ向かう途中の災害は通勤災害ではなく業務上の災害として処理されます。これは当該呼び出しにより、休日から労働日への性質の変更が認められるからです。出張中にも通勤という概念は存在致しませんがそれと同様に処理するというわけです。


6.派遣労働者の管理について
 派遣労働者には、派遣元・派遣先双方からの監督権限が及びます。

 派遣元とは雇用関係がございますので、賃金や休日その他基本事項について一般の労働者と同様に派遣元と労働契約を締結します。

 派遣先には派遣労働者と雇用関係にはありませんので(この点は出向とは異なります)上記の労働契約の範囲内で、実際に派遣労働者を管理する義務が生じる事となります。休憩や残業、労働時間、公民権の行使もそれに含まれるでしょう。派遣先の都合で労働契約の範囲を超えて労働者を就業させることは出来ませんし、36協定等の締結も認められません。


 また労災という観点からのお話ですと、労災保険自体は派遣元において管理されますが、就業先での指揮・監督権は派遣先にございます。したがって当該労災に対し派遣先の安全配慮義務違反が明らかなような場合には、当該派遣先にもその労災に対する責任を追及していく事となるようです。

 派遣元及び派遣先に対する責任の度合いやその範囲などは大変多くご相談をお受け致します。内容的には不明確な部分等もあり判断が難しいです。お困りの際は当事務所までお気軽にご連絡下さい。


 少し角度を変えまして最近話題に上る事も多い【二重派遣】というものがございますのでその概要をご説明致します。

 構造と致しましては、Aがその労働者をBに派遣します。そしてBがさらに当該労働者をCに派遣します。これが二重派遣の状態です。

 上記のように明らかな場合もございますが、実態としてこの状態に該当するような場合も考えられます。
 それはどのような場合かといいますと、A→B→Cと業務委託を行っているような場合です。この場合には当該委託業務は当然にCの従業員が行いますが、当該従業員が実際にはAから指揮・監督を受けるような場合です。

 労働者派遣は、自己の雇用する労働者を他人の指揮命令の下他人のために労働させる事をいいます。

 二重派遣は先ほども申し上げましたが、他人の雇用する労働者を派遣と同じように労働させる事です。

 どうでしょう。業務委託を行っている場合ですが、上記二つの定義のうち、後者=二重派遣のそれに該当しませんか?一概には言えませんが、該当を指摘される可能性もございますので注意が必要です。


7.賃金の支払いについて
 賃金の過払いがあった場合のその返還にかかる消滅時効についてのご相談をお受け致しました。

 返還にかかる消滅時効は10年であると考えます。過払い分は不当利得に当たりますので民法典に根拠を擁します。

 ただ、過払いの場合には、相手方が悪意である場合も想定されます。悪意であれば不法行為に該当する可能性も存在します。その場合には、不法行為の規定より、行為を知った時から3年、若しくは行為の時より20年の消滅時効にかかる事となります。

 もう一つの着眼点と致しましては、その返還の額でございます。簡単にですがご説明申し上げますと、善意であればその過払い相当額を返還すれば足りるのですが、悪意の場合にはその額に法定利息分を付して返還する義務が生じるという事になります。

 返還の方法に関しては給与からの控除も認められますが、相当の関連性が認められる程度の期間内にする事が必要です。あまりその期間が離れてしまうと当該関連性は認められないとするのが裁判所の考え方です。根本にある考え方と致しましては、賃金支払いの全額払いの原則に抵触するというものです。

      
 上記で賃金からの控除というお話が出ましたので、突然ですが賃金の差し押さえというものについて考えたいと思います。

 賃金の差し押さえと聞けば全額差し押さえられるとお考えではないでしょうか。

 労務管理上のお話しに留まらず様々な局面において差し押さえは登場致しますが、ここでは賃金の支払い原則との関連性からお話し致します。

 債務者の生活保障という観点から、差し押さえ可能額が定められております。その額は、手取り額を基準としその4分の1までが差し押さえ可能な額です。そして44万円を超えて手取り金額がある場合には、33万円を越える部分については差し押さえが可能です。

 そしてこの差し押さえの場合には、賃金の直接払いの原則及び全額払いの原則の規定には違反致しませんので、会社は供託を行うか(複数の債権者から差し押さえ命令が届いた場合には義務)若しくは債権者に直接支払う事(差し押さえ命令送達の日から1週間経過後から)が可能です。

 つまり差し押さえ命令に関して、あらかじめ規則や協定で定めておく必要はございませんし労働者の同意を得る必要もございません。

 従業員が会社に対し損害賠償を行う必要がある場合で、当該従業員の給与と、当該損害賠償金との相殺を行う場合には、当然に労使協定を締結しているか、又は、当該従業員の同意が必要です。

 債権者への支払いと混同していただかないようお気を付け下さい。

 この点につきましては、併せてこちらもご覧下さい。

 差し押さえが登場するその根拠は様々であり、使用者が直接管理可能なものではございません。突然に生じる事が大半を占めますので最低限上記程度の知識は必須であると考えております。


8.採用に係る色々な問題
 日本にも様々な国籍の方が在留しています。そこでここでは外国人労働者の雇用問題について考えましょう。

 まずは在留資格の確認が必要です。就労できない資格もございます。短期滞在や留学が主なものです。その他にも在留資格の範囲内でのみ就労が可能なものもございますので注意が必要です。

 次に在留期間の確認が必要となります。期間を超えた滞在は違法です。
 在留資格や期間に関して注意を怠り雇用した場合には、その事業者に対しても罰則が科せられる場合もございます。また当該資格の変更等は行政書士の業務の一部でありますので、複雑な手続き等間違いなく行うためにご相談下さい。

 
 外国人雇用の問題もそうですが、障害者雇用を促進する動きも活発化しております。そこで問題となってくるのが安全配慮義務についてではないでしょうか?通常の労働者と同様の安全配慮義務が課せられているに留まるのか、それとも、それ以上のものが求められているのか、難問です。

 結論と致しましては、障害者に対しては一律に基準を設ける事は難しいので、労働者の個性に着目しそれに沿った安全配慮義務を検討する必要があるでしょう。さらに安全配慮義務のみならずその他の事項に対しても同様の事が言えます。時代の要請に基づきその対処が可能となるよう日々の努力が肝心です。

 採用にかかる事務は重要です。企業にとっては【ひと】経営資源の一つとして、活動を行っていくために欠かせないものです。そこで採用業務を外部に委託することが可能であれば委託したいという企業もある事でしょう。どのように対処すればよいのでしょうか?方法は二通り考えられます。

 まず委託募集という形を採用するならば厚生労働大臣又は都道府県労働局長の許可が必要です。
 一方職業紹介事業者から紹介を受ける場合には上記の許可は不要です。もちろん紹介事業者に、採用の内定相当の行為を行わせると問題はございます。

 どちらが最善の方法かよく考慮し決定すべきです。


 さらに最近では学生を企業に迎え入れ実際に業務体験をさせるインターンシップというものがございます。これは原則として採用ではございませんので、当該学生は労働者とは認められないのです。しかし、若干であれ賃金を支払う企業も少なくないのが実態です。どういうことかと言いますと、賃金を支払い労働者に該当すれば労災保険等の適用が可能となるわけです。インターンシップとはいえ、実際に業務を行うわけですので労働災害を被る可能性も否めません。そこで企業としては労災保険等からの救済を受けられるのかどうかという点が問題となって参ります。

 結論的には、当該学生の就労条件等を総合的に判断していく事となりますので、賃金の支払いのみをもって直ちに労働者に該当するという事にはなりません。

 今後ますます盛んになるであろう当該制度ですので、当事者に学校も含め、三者によるしっかりとした取り決めを行う事が重要であるといえます。
 
 似たような場合と致しまして、入社前研修というものがございます。この研修期間中に生じた災害は労災となるのでしょうか?

 労働者として認められれば労災保険の対象となります。その認定に際しての判断基準は上記と同様の考え方を採るようです。結局は個別具体的に判断をしていく他ないようです。これは研修のため、その会場へ向かう途中の災害について通勤災害として認定されるかについても同様です。
 したがって、自由参加的な研修であればそのリスクは大幅に軽減できると考えますが、戦力として迎え入れるために行う実務的な研修ではリスクは増加します。そのリスクに対処するためには、実践的な研修の対象者においては雇用契約を結び労働者の地位を与える事につきます。つまり労災保険料を納付するという事になるでしょう。


9.制裁の性質を考えよう
 出勤停止を制裁として行う場合に、当該対象となる労働者に対して、その私生活への干渉がどこまで認められるのかというご相談をいただいた事がございます。

 出勤停止中は、自宅で深く反省をするように促すものでしょう。もちろんその間に、友人と食事に行ったり恋人とデートをしたからといって問題はございません。しかし同業他社へ社内情報を流すために行動したり、アルバイトを行ったような場合にはどうでしょうか。少し問題があるように思います。その答えを探すためには当該出勤停止の性質を把握する事が必要です。


 出勤停止の原因には大きく分けて二つの場合が考えられるでしょう。

 ひとつは、懲戒処分としてのものです。制裁としての出勤停止ですね。

 もうひとつは、懲戒処分の前段階におけるものです。どのような懲戒処分を下すべきか等の考慮期間や社内において犯罪行為が発生した場合の調査等の期間です。懲戒処分としてではなくあくまでも業務上の命令という形です。

 このように二つに分け考える理由は、もちろんですが、どちらに該当するかによって違いが生じるからです。

 その違いとは、まず前者であれば就業規則等に根拠が必要です。そして給与の支払いは無くても問題ないでしょう。ただし私生活への干渉の度合いは低いものとなります。
これに対し後者の場合には、根拠は不要(もちろんの事ですが業務命令に対する根拠は必要です)ですが給与の支払いは必要です。しかし自宅謹慎等程度の干渉であれば可能になると考えます。

 したがって、前者の場合には自宅謹慎等までを強制する事は不可能となりますので、その間の当該労働者の行動内容によっては、別途懲戒処分を検討する事になります。

 ご相談内容は前者寄りでしたので、当事務所と致しましては上記のような回答を提示させていただきました。 


10.就業規則の効力
 就業規則は個別の労働契約に優先するのでしょうか?また労働協約との関係ではどうでしょうか?

 答えは次の通りです。

 法令>労働協約>就業規則>労働契約の順となります。上位のものに抵触する下位で定められている規定はその部分については無効となり上位に同様の事項についての定めがある場合にはそれによります。

 したがって、個別の労働契約で締結した事項も就業規則の規定に反する事はできない事になります。

 もう少し掘り下げてお話致しますと、就業規則には反していない状態での勤務であっても違法性は阻却されませんし、また例えば、労災の業務上であるか否かの認定の際にも、就業規則に従っていた事実よりも個別具体的に判断していく問題であるという判決がございます。このように、就業規則にまつわる問題は難しく複雑なものもございます。慎重に対処していく事が必要です。

 また最近では様々な雇用形態が存在致します。またそのような環境の変化に伴い、色々な問題点も指摘されるようになりました。そのため、法整備等を含め社会全体としてこの問題に対する取り組みも活発となってきております。そこで、『就業規則は存在するが、それは正社員のみに適用するものであってパートタイマーはその対象としていない。といったは考え方は認められるのか否か』というご相談をお受けした事がございましたのでご紹介致します。

 この問題に対する回答と致しましては、認められないと考えます。

 なぜなら、パートタイマーであっても労働基準法上の労働者ですので常時10人以上の労働者を使用する事業所では就業規則の作成が義務付けられます。その対象とする範囲はもちろんの事ですが労働者です。
 したがってパートタイマーにのみ適用の無い就業規則は作成できません。しかし実態として、正社員とパートタイマーとを区別する事無く同様に取り扱い、また就業規則の適用に関しても差別する事がないというのは不可能です。そこで正社員用、パートタイマー用と区別し就業規則を作成する事は問題ございません。若しくは、適用除外とする必要の有る事項に関しての、本則における適用除外規定及び別規定への委任規定を設ける事でも対処は可能です。
 この場合において、適用除外規定のみでは足りません。委任規定も同時に規定されなければ違法となります。

   当事務所では

   読みにくい構成となり大変申し訳ございません。

   上記では法則性を持たせる事無く、労務管理について次々と色々な論点を持ち出しご紹介する
  形式を採用致しました。その理由は労務管理等の諸問題を考える際において、一定の法則性の下
  に一般的な基準をご紹介しご説明していく方法では、到底その範囲をカバーする事はできないか
  らです。

   つまりHP上では、一つのみの論点に絞っても全てを網羅する事は出来ないと考えます。

   それならば、可能な限り多くのお話しをさせて頂きたいと考えこのような形式を採用する事に
  至りました。

   同じようなご相談を多くお受け致します。しかし解決法は同じようなものではございません。
  この点をご理解いただきますよう宜しくお願い申し上げます。

   労務管理技法について日々研鑽を重ねております。ただ一般的な基準は解決にあたって大きな
  意味を持ちません。やはり重要なのは、個々案件の実際に生じている問題に即した解決法の提案
  です。

   そのために当事務所が必要であると痛感している事は、解決法を多く知る事ではございませ
  ん。それはコミュニケーション能力です。これを磨かずして本当の解決法のご提案は叶いませ
  ん。

   労使双方の立場から、より良い解決法のご提案に努めますので、まずはお話をお聞かせ下さ
  い。



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