人事/労務管理サポートセンター 人事・労務管理ウェブテキスト

 はじめに


 人事・労務管理を行っていただく際には、様々な諸問題と向きあう必要があります。

 ここでは、人事・労務管理上登場するであろう、採用解雇制裁労災賃金休日就業規則等について、事例も時折織り交ぜながら少し違った視点から解説させていただいております。

 雑誌のような感覚で、お気軽にお読みいただければ幸いです。

 



 目次・索引はこちら
 各ワードをクリックしていただいますと、関連記事までジャンプします。

採用・制裁・解雇について
採用の外注  ○インターンシップ  ○入社前研修制度  ○外国人・障害者雇用
制裁の性質(出勤停止)  ○解雇Q&A

賃金・休日
賃金の支払い  ○休日の豆知識

労災・派遣労働者
労災認定の一般的基準  ○労災の事業主の責務  ○通勤災害とは  
労災休業と有給休暇  ○派遣労働者の管理  ○派遣労働者と労災保険




 採用・制裁・解雇について

           
@採用の外注
 採用にかかる事務は重要です。
 企業様にとって【ヒト】は経営資源の一つとして、その運営を行っていくためには欠かせないものです。
 
そこで、採用業務を外部に委託することが可能であれば、委託したいという企業様もあることでしょう。
 では、どのように対処すればよいのでしょうか?

 以下、その方法を紹介させていただきます。

 1.委託募集
  
事前に厚生労働大臣又は都道府県労働局長の許可が必要です。
  許可を受けたうえで、専門業者へ委託します。
 
 2.職業紹介事業者
  職業紹介事業者から紹介を受ける場合には上記の許可は不要です。
  もちろん、
採用の内定相当の行為を行わせることはできません


         
Aインターンシップの際には
 既にご存の通りですが、インターンシップといわれる、学生を企業に迎え入れ実際に業務体験をさせる制度があります。

 これは、原則として採用ではありません

 つまり、インターンシップ中の学生は
労働者とは認められないのです。

 インターンシップとはいえ、実際に業務を行うわけですので、労働災害を被る可能性も否めません。そこで、企業様としては、労災保険等からの給付(救済)を受けられるのか否かという点が非常に重要な問題です。
 やはり、労働者ではないということから、この労災保険からの救済は受けられないのでしょうか。仮に、労災保険からの救済が受けられないのであれば、インターンシップの制度の存続は難しくなりそうです。
 結論はといいますと、総合的に勘案し、労働者としての性格の強い場合には、
労災保険の適用が受けられることとなります。
 したがって、インターンシップ中とはいえ、学生に対し賃金を支給していただくことをお勧めします。

 その他にも、就労条件やその環境等が適用の際には勘案されますが、労使保険法上の労働者の定義に【
賃金を受け】という文言がありますので、客観的にも判断しやすいこの基準は、最低限クリアしておく必要があるからです。

 実際に支払いを行う企業様も多いのが実態です。

 
優秀な人材確保のために、また、雇用のミスマッチを防止するといった観点からも、今後ますます盛んになるであろう制度ですので、企業様・学生・学校の三者によるしっかりとした取り決めを行う事が重要であるといえます。


         
B入社前研修制度
 インターンシップと同じような制度に、入社前研修制度というものがあります。
 
 この、入社前研修期間中に生じた災害は労災となるのでしょうか?

 また、入社前研修へ向かう途中に事故にあった場合などは、通勤災害として認められるのでしょうか。

 基本的な考え方は、インターンシップの場合と同様です。
 つまり、総合的に勘案し、
労働者として認められれば労災保険の対象となるということとなります。
 
 具体的には、自由参加的な入社前研修であれば、労災保険の対象とは認められにくいと考えます(労災と判断されにくいということです)が、戦力として迎え入れるために行う実践的・実務的な入社前研修では、労災保険の適用が可能となる可能性が上昇します。
 
 つまり
単なる事故ではなく労災とみなされる可能性が高いということです。
 
 これらのリスクに対処するために、実践的・実務的な研修の対象者においては、
雇用契約を結び労働者としての地位を与えることをお勧めします。

 インターンシップと同様に、労災保険の適用には積極的になる必要があります。


          
C外国人・障害者雇用の問題
 日本にも様々な国籍の方が在留しています。
 これからは時代の要請もあり、外国人雇用の問題は増えていくことが予想されます。
 ここでは、外国人労働者の雇用問題について考えてみましょう。

 外国人を雇用する際に、まずチェックを要するのが【
在留資格】です。
 この在留資格は、法改正以前のパスポート上には数字や記号が並んでおり、一般の方には分かりにくい表記となっておりました。 しかし、この分かりにくさを指摘する多くの声により、現在では文字表記に変更されましたので容易に確認が取れます。

 在留資格の確認では、
就労可能か否かを判断する必要があります。
 就労できない資格もあります。例えば、短期滞在や留学が主なものです。
 また、その他にも、在留資格の範囲内でのみ就労が可能なものもありますので注意が必要です。

 次に【
在留期間】の確認が必要となります。期間を超えた滞在は違法です。
 きっちりと確認して下さい。
 
 在留資格や在留期間に関して注意を怠り雇用した場合には、その事業者に対しても罰則が科せられる場合があります。

 在留資格等の入管関係手続きについては、行政書士弁護士専門業務です。
 ご不明な点がありましたら、弊センターまでお問い合わせいただければ幸いです。

 
 外国人雇用も取りざたされる機会が多いのですが、政府からの要請もあり、障害者雇用を促進する動きも非常に活発化しております。
 法律でも、障害者雇用達成率を設定し、その基準を満たすことが義務付けられております。

 しかし、実際に雇用するとなると、一般労働者に比べて安全配慮義務について慎重にならざるを得ません。
 一般労働者と同等程度の義務が課せられているのか?それともそれ以上のものが求められているのか?この部分が明確にならない限りは、障害者雇用についてはうまく機能しないでしょう。

 実際の現場では、障害者に対し一律に基準を設けることは難しいので、労働者の個性に着目し、それに沿った安全配慮義務を検討する必要があるといえます。
 さらには、安全配慮義務のみならずその他の項目に関しても同様のことがいえます。この点に関しては、外国人雇用についても当てはまるでしょう。

 外国人・障害者雇用は時代からの要請です。
 しっかりと対応し、さらなる飛躍へと繋げたいものです。


       
D制裁の性質を再確認
 制裁の種類には色々ありますが、ここでは比較的よくご相談をいただく【
出勤停止】の性質について検討してみたいと思います。

 出勤停止と一口にいっても、その根拠には大きく分けて2つあります。

 1つ目は、懲戒処分として行うものです。
 制裁としての出勤停止です。

 もう1つは、懲戒処分の前段階におけるものです。
 どのような懲戒処分を下すべきか等の考慮期間や、社内において犯罪行為が発生した場合の調査等の期間を確保するために行われるものです。
 懲戒処分としてではなく、あくまでも業務上の命令という形です。

 このように、2つの根拠に基づき実施される出勤停止ですが、では、法律的にはどのような違いが出てくるのでしょうか。

 以下、主要な相違点を記載します。

懲戒処分 業務命令
根拠の所在 就業規則
(規定がなければ処分を行えない)
根拠不要
(業務命令の根拠は必要)
給与の支払い 不要 必要
私生活への干渉 原則として不可能 原則として可能
(自宅謹慎程度に限られる)

 実際に【出勤停止】を行う場合には、上記点につき注意が必要です。
 その他、制裁についてご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。


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E解雇・解雇予告手当
 解雇については、Q&A方式で記載します。

 
Q1.解雇とは何ですか?

 
A1.解雇は、会社都合により労働者との雇用契約を解消することです。
    但し、正当な理由がなければ行うことはできません。
    解雇であれば、失業手当も即時に支給されます。


 
Q2.解雇予告手当とは何ですか?
  
 
A2.解雇予告とは、使用者側に課せられている義務です。
    解雇を行うには、原則としてその30日前までに労働者への通知が必要です。
    この通知が何らかの理由によりなされない場合に、解雇までの日数に応じて使用者
    が負担する金銭のことをいいます。


 
Q3.解雇予告を撤回することは可能ですか?

 
A3.原則として1度なした解雇予告は取り消すことができません。
    但し、相手方の同意が得られた場合には撤回(取り消す)することが可能です。
    解雇日を繰上げる場合には、同意があるか否かで解雇予告手当の額が変動します。


 
Q4.解雇制限期間中は解雇はできませんか?
  
 
A4.はい。
    しかしながら、解雇予告は可能です。
    この場合、制限期間が経過後、解雇予告日より30日が経過していれば、その日
    に解雇の効力が生じます。  


 
Q5.社内不倫が発覚した場合、解雇することはできますか?

 
A5.就業規則に規定される【風紀に関する規定】に抵触するとして、当該就業規則の
    懲戒事由によるのが妥当ではないでしょうか。
    判例もこの手の判断には慎重です。
    したがって、解雇を採用するよりは、厳重注意のうえ減給や出勤停止処分等に留
    めておくのが妥当でしょう。


 
Q6.インターネット掲示板に企業秘密や上司の悪口を書き込めば解雇されますか?

 
A6.ケースにもよりますが、その行為が名誉毀損に該当する可能性が高く、会社との
    労働契約上、労働者が負っている誠実義務に対しての違反を問われかねないよう
    な場合には、労働者の行為は悪質なものであるという推定がはたらきますので、
    懲戒解雇処分に該当する可能性が高くなります。

 
 
Q7.正当な理由なく解雇された場合にはどうすれば良いのですか?
  
 
A7.正当な理由なき解雇は無効ですので、相手方に無効であることを認めさせる必要
    があります。
    社会保険労務士や労働問題に強い弁護士にご相談されることをお勧めします。
    弊センターでも総合的にサポートさせていただいております。


 
Q8.突然解雇されたので会社に解雇予告手当を請求したいのですが。

 
A8.内容証明郵便で会社に請求しましょう。
    ご自身でも作成していただけますが、不安であるならば専門家にご依頼して下さ
    い。
    弊センターでも承っております。


 
Q9.出来の悪い社員を自主都合による退職で辞めてもらいたいが・・・
 
 
A9.原則として会社都合の退職を、労働者の自主都合での退職として取り扱うことは
    できません。
    問題の所存を追及し、積極的に解決を図るべきでしょう。
    人事・労務コンサルタントのご利用もお勧めします。
    弊センターでももちろんサポートが可能です。



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 賃金・休日

            
@賃金支払の基本
 賃金支払いの5原則は既にご承知の通りだと思いますが、以外にその原則に違反するといった事例も多く見受けられます。
 再度ご確認いただければと思います。

 1.全額払いの原則
   賃金はその全額を支払わなければなりません。
   この原則に違反しないためには、以下の例外規定に該当する必要があります。

   a)法令に別段の定めがある場合
   b)労働者の過半数で組織する労働組合との書面による協定がある場合
   c)労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合

   社会保険料控除は、a)の規定によって可能であるということです。

   また原則として、何かしらの債権と賃金を相殺することもこの原則に違反することな
   ります。


 2.通貨払いの原則
   通貨で賃金を支払う必要があります。

   定期券で交通費を支給する場合、その労働者が労働協約の適用を受ける労働者でなけ
   ればなりません。適用を受けないパート社員等に定期券で交通費を支給することは、
   この原則に違反することとなります。
   
   また賃金を口座振替で行う場合にも、労働者の同意が得られていなければ、この原則
   に違反することとなります。


 3.一定期日払いの原則  
   賃金は決まった日に支払う必要があります。
   例えば、
   毎月第4週目の金曜日←これは認められません。
   毎月27日←このように改めるべきです。


 4.直接払いの原則
   賃金はその労働者に直接支払います。

   したがって、労働者の親権者等の法定代理人や、労働者から委任を受けた任意代理人
   に対して、賃金を支払うことは認められません。
   また、労働者が賃金債権を譲渡した場合でも、使用者は労働者本人に対して賃金を支
   払わなければならず、譲受人に対して賃金を支払うことは認められません。

   例外として、賃金が国税徴収法や民事執行法の規定に基づき差押えられた場合は、使
   用者は、賃金を行政官庁に納付し又は差押債権者に支払うことが認められています。
   この場合には、会社は、供託を行うか、若しくは直接差し押さえ債権者に支払うこと
   になります。
   

 5、毎月一回(以上)払いの原則
   一定期日払いの原則と総称して呼称される場合もあります。
   この原則に基づけば、最低でも月1回は賃金を受けることができるということになり
   ます。
   数ヶ月分をまとめて支払うといったことは、この原則に違反します。


 以上については一見難しくないように感じますが、実務としては複雑な部分も多いのが実態です。
 ご不明な点がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせ下さい。



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A休日についての豆知識
 休日は、
1週間に1日以上又は4週間で4日以上(変形週休制)あれば違法となりません。

 したがって、この規定に違反しない範囲内において自由に決定できます。
 但し、変形週休制を採用する場合には、就業規則においてその4週間の起算日を定める必要があります。

 この規定以上に付与される休日は、法律上の休日ではありません。
 つまり、完全週休2日制(土・日)を採用している会社において、ある週の土曜日に一部の労働者を出勤させた場合に、
休日手当として割増賃金は不要だという事です。
 しかし、就業規則において週1日の休日を土曜日とする旨の定めをした場合には、割増賃金の支払い義務が生じます。
 この場合には、日曜日に出勤させれば支払い義務は無いということです。

 上記規定の範囲内において、
休日の振替も可能です。
 さらに、その振り替え休日の振替も可能ですが、無いように事前にきっちりと確認し行うよう配慮して下さい。

 同様に
、代休という制度がありますが、相違点はどこにあるのでしょうか。

 振替とは休日を事前に変更するのに対し、代休は事後に変更することをいいます。
 その際には、半日単位での付与も原則可能です。そして代休の場合には振替とは異なり、休日出勤となりますので原則として割増賃金の支払いが必要です。

 いずれにせよ、この規定に反しないよう休日を与えると共に、就業規則で法定休日をいつにするかを明確に定めておけば問題は生じないでしょう。

 
 最後に、欠勤した労働者に対して休日との相殺は可能なのでしょうか?

 答えは出来ません。就業規則等で欠勤に対する減給措置を規定する等して対策を講じるのが良いでしょう。




 労災・派遣労働者

       
@労災認定についての一般的基準
 労災保険には、
業務上の災害通勤災害、2つの概念が存在します。
 したがって、労災認定には業務上か否かの判断が必ず必要です。
 業務上の認定を受け、また、通勤途上であったとの認定を受け、初めて労災保険からの給付を受けることが可能となります。

 この認定には、多くの判例や学説が存在しておりますが、そこには行政解釈が非常に重要な役割を果たしております。

 行政解釈によりますと、業務上であると言えるためには2つの基準をクリアしなければなりません。

 まず1つ目は、
業務起因性です。
 これは、労働契約の締結により支配従属関係が存在し、かつ、当該契約に基づきその業務を行うことにより災害が生じたものであるという、当該災害と業務との間に相当の因果関係が存在していることをいいます。
 したがって、私的行為を行っていたり、業務を逸脱していたと認められる場合には否定される可能性があります

 もう1つは、
業務遂行姓です。
 これは、単に仕事をしている最中という意味ではなく、上記で述べました支配従属関係にある中で生じたか否かという点に着目し判断を行います。

 以下簡単ですが、認められる例をあげておきます。

 a)事業場内での作業中(原則トイレや給水等の時間も含む)
 
 b)事業場内での休憩中、始業・終業に伴う事業場内での行動
 
 c)実質的な支配は及んでいるが、直接的な管理状態にはなく業務に従事している場合

 以上が原則的な例となります。

 但し、休憩時間中に運動をしていて、それが原因で怪我をした場合等には認められません。
 しかし、その事業場の施設に不備が存在し(何かが上から落下してきた等)怪我を負った場合には認められるでしょう。

 このように労災認定の判断に関しては複雑です。

 お困りの場合には弊センターまでお問い合わせ下さい。
 裁判上における具体的事例を多く把握しておりますので、お任せ下さい。

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 そして、この認定に対しての基本的な考え方として、労働時間中に通常業務に従事していた場合には、
業務遂行性が推定されますので、業務起因性に対する反証のない限り労災として認定されることとなります。


        
A労災に対する事業主の責務
 労災の申請の際に、事業主から協力を得られなかったことがありませんか?
 また、被災労働者に対して、非協力的であったことはありませんか?

 それは労災隠しの意図を有したものかもしれませんし、単に事業主側が、労災の認定権者であると誤信したために起こったことかもしれません。

 あくまでも
労災の認定権者は、労働基準監督署です。
 この点を踏まえ、労使双方協力の下、労災保険からの救済を受けていただければ幸いです。

 
 しかしながら、実態としては、協力が得られないケースも多くあります。

 このような場合には、どうすれば良いのでしょうか?

 
労災の申請について事業主の協力が得られなかった場合でも、そのまま申請してしまいしましょう
 協力が得られない旨を労働基準監督署に説明し、納得を得れば受理されます

 方法としては、その理由を記載した文書を添付すれば良いでしょう。
 添付する文書自体に法的な制限はありませんので、作成しやすい方法でされるのが一番でしょう。

 
労災隠しは犯罪行為です。
 安易に行ったとしても大きなしっぺ返しが待っています。
 上記のような問題が生じぬよう、労使双方の協力で誠実かつ円滑に解決するための方法を模索していって下さい。


      
B通勤災害とは
 ほぼ、業務災害と給付の内容は同様ですが、
通勤途上において生じた災害を救済する目的の制度です。

 業務災害と異なる点は、使用者の休業に対する責任の度合いが変わってきます。
 つまり、
待期期間中の使用者による休業補償は必要無いということです。

 通勤災害と認められるには、
住居と就業場所との往復について通勤災害があった事が必要です。

 ここでいう住居とは、就業を行う際の拠点とお考えいただければ結構です。

 したがって、自宅のみならず、社会通念上必要と認められる理由が存在すれば、実家や病院から就業場所へ向かう行為もここでいう通勤に該当します。
 さらに当該住居には、単身赴任先及び二つ以上就業する場合の一方の就業場所も含まれます。
 もちろん就業に際してですので、単に私用で会社に立ち寄る場合等(手渡しの給料を受け取るなど)は認められません。
 また通達によると、休日に呼び出され会社へ向かう途中の災害は通勤災害ではなく業務上の災害として処理されます。これは当該呼び出しにより、休日から労働日への性質の変更が認められるからです。出張中にも通勤という概念は存在しませんがそれと同様に処理するというわけです。


      
C労災休業と有給休暇
 労災休業中に有給休暇を申請した労働者がいました。この請求は認められるべきものなのでしょうか?

 結論的には認めるべきでしょう。
 但し、休職させる場合には認めなくとも問題は無いと考えられます。

 また労災からの休業補償給付には3日間の待期期間が存在しますが、待期期間についても有給が認められます
 その場合には、使用者が行うべき休業補償は不要です。そして労働義務のある日に有給休暇は認められますので、その義務の無い日には認められません。
 休職させる場合に認める必要が無いと申し上げたのはこの理由によります。


 ご参考までにですが、労災により休業する間に支給されることとなる休業補償給付に関しては、就業の実態が存在しなくとも就業可能な状態にあると認められれば支給されないこととなります。
 したがって、就業の事実を申告したとしても、直ちに支給停止されるような性質のものではないという考え方ができます。


       
D派遣労働者の管理
 昨今話題にのぼる機会も多い派遣労働者について、【労働者】としての性質からどのような捉え方をすればよいのか、上記では労災保険についてお話ししましたので少し触れておきたいと思います。

 派遣労働者には、
派遣元派遣先双方からの監督権限が及びます

 派遣元とは雇用関係がありますので、賃金や休日その他基本事項については、一般の労働者と同様に
派遣元と労働契約を締結します。

 
派遣先には派遣労働者と雇用関係にはありませんので(この点は出向とは異なります)上記の労働契約の範囲内で、実際に派遣労働者を管理する義務が生じる事となります。
 休憩や残業、労働時間、公民権の行使もそれに含まれるでしょう。
 派遣先の都合で
労働契約の範囲を超えて労働者を就業させることはできませんし、36協定等の締結も認められません


        
E派遣労働者と労災保険
 派遣労働者と労災保険との関係からみてみますと、
労災保険自体は派遣元において管理されますが、就業先での指揮監督権は派遣先にあります。
 したがって、労災に対し派遣先の安全配慮義務違反が明らかなような場合には、派遣先にもその労災に対する責任を追及していくこととなるようです。

 
 派遣元及び派遣先に対する責任の度合いやその範囲などは大変多くご相談をお受けします。
 内容的には不明確な部分も多くあり大変判断が難しいものです。
 お困りの際は弊センターまで、お気軽にご連絡下さい。


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